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栄養食事指導|石巻市・東松島市の小児科・アレルギー科 おおば小児クリニック

栄養食事指導

Nutritional guidance

栄養食事指導NUTRITIONAL GUIDANCE

アレルギー別栄養食事指導

小麦アレルギーの栄養食事指導

小麦アレルギーの栄養食事指導

小麦アレルギーは主食のひとつである小麦が食べられないため、他のアレルギーに比べて食生活の制限が多く、保護者の負担が多くなります。
しかし、小麦の主な栄養素は炭水化物であり、米を食べれば代替できるため、栄養面での注意点は特にありません。

小麦アレルギーとお子さんが診断された時、覚えておいてほしい点がいくつかあります。

  • 食品表示の「小麦」が醤油に由来するかどうかの問題

    醤油は原材料として小麦が使われていますが、アレルゲン性がほぼ完全に失われており、小麦アレルギーの方でも普通は症状なく摂取できます。ですが、醤油を含む食品の原材料表示では必ず「小麦」と表示されてしまいます。

  • 食品表示の「デンプン」が小麦由来の可能性

    食品のアレルゲン表示で「小麦」とあっても、表示を良く読んで「醤油にしか小麦は使われていない」と確信できる場合は小麦アレルギーの方も食べることができます。ここで落とし穴になりやすいのが「加工デンプン」で、小麦から作られ小麦アレルゲン性を残していることが多々あります。「醤油」と「加工デンプン」両方が使用されている食品は注意しましょう。
    みたらし団子を例に取ります。原材料の表記は以下の通りです。
    原材料名:うるち米、醤油、砂糖、みりん、加工澱粉、調味料(一部に小麦、大豆を含む)
    この「一部に小麦を含む」が醤油由来だと思い込んで食べてしまうと、加工澱粉が小麦から作られていたものだった場合に食物アレルギー症状をおこしてしまいます。

  • 市販の「米粉」は小麦が使用されていないか入念にチェック

    アレルギーへの配慮やグルテンフリー目的ではない「米粉」製品の場合、小麦が添加されている製品があるので裏の表示も確認しましょう。

  • 米粉以外の小麦代替品を使う

    米粉以外の小麦代替品としては「きび粉」「ソルガム粉」などがあり、通信販売などで買えます。また、シャトレーゼやコージーコーナーでは事前の予約でアレルギー対応ケーキが購入できます。

鶏卵アレルギーの栄養食事指導

鶏卵アレルギーの栄養食事指導

鶏卵は食物アレルギーの原因食物第1位で、乳児期に発症した鶏卵アレルギーは6歳になるまでに8割以上が治ります。
鶏卵の主な栄養素は蛋白質やビタミンなどですが、魚類や肉、大豆などで補うことができるので、鶏卵単独のアレルギーであれば栄養面での注意点は特にありません。

  • 卵黄について

    卵黄は「消化管型食物アレルギー」という、嘔吐が主体の特殊な食物アレルギーをおこすことがありますが、その多くは3歳くらいまでに治ります。
    鶏卵アレルギーでも卵黄だけなら食べられる方は多いですが、ゆで卵の場合、作ってから時間が経つと卵白の蛋白質が卵黄に染み込んでゆくため、すぐに白身と黄身を分離する必要があります。

  • 卵白について

    卵白は加熱時間や調理方法によりアレルゲン性が大きく変化します。このため、しっかり加熱した鶏卵なら食べられるお子さんでも半熟卵やかき卵汁、茶わん蒸しでは症状が出ることがあります。
    卵白のアレルゲン性は①加熱温度 ②加熱時間 ③他の食材との混ざり具合、で変化します。
    60~75℃で加熱する温泉卵だと長時間の加熱でもアレルゲン性があまり下がりません。ゆで卵であれば沸騰してから20分ゆでればアレルゲン性が1割程度まで低下します。小麦と一緒にオーブンで焼いてクッキーにするとアレルゲン性は1%以下まで下がります。

  • 交差反応、食品表示について

    鶏卵アレルギーがあっても鶏肉は食べられます。また、魚卵も食べることができます。ですが、ウズラなど、他の鳥類の卵は「交差反応」といって、鶏卵と同じように反応する可能性があるため、食べることができません。
    食品表示の「卵殻カルシウム」は、卵の殻から作られていますが、鶏卵アレルゲンはほとんど残っていないため、アレルギーがあっても食べられます。

牛乳アレルギーの栄養食事指導

  • 牛乳アレルギーではカルシウムを補うことが絶対必要!

    牛乳アレルギーの栄養食事指導

    日本人の食生活ではカルシウムの相当部分を乳製品によって摂取しているため、牛乳アレルギーではカルシウムを他の食品で補うことが必要です。
    牛乳以外でカルシウム含有量の多い小魚やエビカニ、大豆、海草類の他、乳幼児ではアレルギー用ミルク(明治ミルフィー、森永ニューMA-1など)を牛乳がわりに使うことも勧められます。また、年長児ではサプリメントを利用することもできます。
    牛乳アレルギーに魚類アレルギーを合併した場合は、カルシウムとビタミンD両方が不足がちになり、「くる病」発症のおそれもあるので、医師や栄養士の指導を受けることが必要です。

  • 加熱や調理での牛乳アレルゲンの変化

    牛乳のアレルゲンは加熱しても発酵してもほとんど変化しません。そのため、牛乳アレルギーの子で何がどれだけ食べられるかどうかは、その食品中の牛乳蛋白の量を元に計算します。
    ここでポイントになるのは、牛乳のアレルゲンは牛乳の脂肪分ではなく蛋白質部分に含まれることです。バターは脂肪部分が濃縮されたものであるため、同量の牛乳よりアレルゲン性が低くなります。チーズは蛋白質が濃縮されているため、同じ重量の牛乳よりアレルゲン性が高くなります。
    特に粉チーズ(パルメザンチーズ)は、牛乳の13倍と強いアレルゲン性があります。

  • 交差反応、食品表示について

    羊やヤギ、水牛などの哺乳類の乳は牛乳と交差反応性があり、牛乳アレルギーのお子さんは食べられません。
    (食品表示法では鶏卵と交差反応性のあるウズラ卵は特定原材料の「卵」としてアレルギー表記することを求めていますが、同じように交差反応性が明らかでもヤギなど他の哺乳類の乳は「牛乳」表記されません。)
    「小麦アレルギーの醤油」とは違い、牛乳には「アレルギーがあっても摂取できる」加工品がないため、食品表示かアレルギー表記をきちんと見れば、食べられるかどうか迷うことはあまりないと考えられます。
    ですが、「ホエイ」「カゼイン」が乳由来だということは一応覚えておくとよいかもしれません。
    「パインアメの脱脂粉乳」などが良い例ですが、牛乳は意外な食品に添加されていることも多く、誤食を防ぐためには表記を確認することが必要です。

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